サウナでむくみは取れる?減るのは汗の約0.4〜0.5kg|論文10本からわかりやすく解説【翌日むくむ理由・受診したいサインつき】水風呂・お酒・塩分との関係まで

公開 2026-10-03・更新 2026-10-03・GolfCounter 編集部(ととのい時計 開発チーム)

結論

サウナの後に脚や顔がすっきりして見えるのは、主に汗で体の水分が減るためです。10分×2回のサウナで体重は女性で約0.37kg、男性で約0.50kg減り、そのほとんどが水分でした。温まって血流が増え、休憩中に体を動かすことも手伝いますが、むくみの原因が治るわけではありません。水分をとれば体重は戻り、汗をかきすぎたり、サウナの後に塩辛い食事やお酒をとったりすると、翌日かえってむくむこともあります。片足だけのむくみや息切れを伴うむくみは、サウナではなく受診が先です。

「サウナに入ると脚のむくみが取れるって本当?」

「サウナの後はすっきりしたのに、翌朝なぜか顔がパンパン」

夕方になると靴がきつくなる、朝の顔のむくみが気になる、という方は多いのではないでしょうか。「サウナでむくみ解消」という話はよく見かけますが、なぜ取れるのか、どのくらい続くのかまで説明しているものは多くありません。そこでこの記事では、サウナの前後で体重を測った研究や、水風呂・温冷交代浴の比較試験、お酒の翌日に体が水をためこむことを確かめた研究など、論文10本の数値をもとに整理しました。むくみの仕組み、翌日むくむ理由、むくみ対策として現実的な入り方、サウナより受診が先のむくみまでまとめています。ぜひ参考にしてください。

あわせて読みたい:サウナで減る体重と脂肪の関係はサウナのダイエット効果の検証で、サウナの効果全体を根拠の強さで比べたい方はサウナの効果12個の判定で解説しています。むくみが心配でもサウナに入ってよいかは、受診したいむくみのサインを先に確認してください。

1. サウナでむくみが「取れた」と感じる3つの理由

サウナの後のすっきり感には、はっきり測られている理由と、そうでない理由があります。まず何が起きているのかを分けておくと、効果を過大にも過小にも見ずにすみます。

1-1. 汗で体の水分が約0.4〜0.5kg減る

いちばん大きな理由は汗です。ポーランドの大学で、運動習慣の少ない19〜20歳の学生674人(女性326人・男性348人)が、乾いたサウナに横になって10分入り、5分休んでもう一度10分入る、という流れの前後で体重を測りました(Podstawski ら, 2014)。

対象サウナ(10分×2回)で減った体重減ったものの中身
女性 326人平均 約0.37kgほぼ汗(水分)
男性 348人平均 約0.50kgほぼ汗(水分)

この研究では、BMIが高い人ほど減る量が大きく、研究者は「脱水になりやすいので水分補給に特に気をつけるべき」と書いています。むくみは体の組織に余分な水分がたまった状態なので、体の水分が全体として0.4〜0.5kg減れば、脚や顔が少し引き締まって見えても不思議ではありません。

ただし、汗は体中から出るもので、むくんでいる場所の水分だけを選んで出すわけではありません。減った水分は飲んだ水で戻るので、「体重が減った=むくみが治った」と考えるのは早すぎます。体重と脂肪の関係はサウナのダイエット効果の検証で詳しく解説しています。

1-2. 温まると皮膚の血流が増える

2つ目は血流です。男性6人を69℃のサウナに15分入れて前腕の皮膚の血流を測った研究では、サウナに入ると皮膚の血管が広がり、血流は時間とともに増え続けました(Smolander ら, 1985)。体が熱を逃がすために、皮膚へ大量の血液を送るためです。

冷えて血の巡りが悪いと感じている人が、温まって手足がぽかぽかすると「流れがよくなった」と感じやすいのはこのためです。一方で、皮膚の血流が増えることがむくみを減らすかどうかは、別の話です。後で触れるように、暑い環境では手足がかえってむくむこともあります。

1-3. 休憩中に脚を上げたり、歩いたりする

3つ目は、サウナの合間の行動です。休憩でリクライニングチェアに寝そべる、サウナと水風呂の間を歩いて移動する、といった動きは、それだけでむくみを和らげる方向に働きます。英国の公的医療機関NHSも、脚のむくみへのセルフケアとして「脚を椅子やクッションの上に上げる」「歩くなど軽い運動で血流をよくする」を挙げています(NHS「Swollen ankles, feet and legs (oedema)」)。

長時間のデスクワークの後にサウナへ行くと、それまで座りっぱなしだった脚を動かし、横になる時間ができます。サウナの熱そのものより、「座りっぱなしをやめる時間」になっていることも大きいと考えられます。

2. そもそもむくみとは?間質液と静脈の仕組み

サウナで何が変わり、何が変わらないのかを判断するには、むくみがどうやって起きるかを知っておくのが近道です。

2-1. 血管の外に水分がたまる4つのしくみ

むくみ(医学用語では浮腫)は、血管の外、細胞と細胞のすき間に余分な水分(間質液)がたまった状態です。MSDマニュアルでは、血管から組織へしみ出す水分が増えるか、組織から毛細血管やリンパ管へ戻る水分が減ると起きる、と説明されています(MSDマニュアル プロフェッショナル版「浮腫」)。

しくみどういうことか身近な例
毛細血管の圧が上がる血管の中の圧が高まり、水分が外へ押し出される長時間の立ちっぱなし・座りっぱなし、心臓や腎臓の病気
血液の「水を引きとめる力」が下がる血液中のたんぱく質(アルブミン)が減り、水分を血管内に保てない肝臓の病気、栄養不足など
血管から水がもれやすくなる血管の壁のすき間が広がるけが・虫刺され・アレルギー・炎症
リンパの流れが滞る組織にしみ出た水分の回収路がふさがるがんの手術でリンパ節を取った後など

夕方に脚がむくむ、デスクワークでふくらはぎがパンパンになる、という日常のむくみの多くは、1つ目の「圧が上がる」タイプです。サウナで期待できるのも、このタイプに対する一時的な変化に限られます。

2-2. 脚の血を心臓に戻す「ふくらはぎのポンプ」

脚の静脈の血は、重力に逆らって心臓まで戻らなければなりません。その主な力になっているのが、歩くときに縮んでは緩むふくらはぎの筋肉で、「筋ポンプ」と呼ばれます(Recek, 2013)。筋肉が縮むたびに静脈が絞られ、逆流を防ぐ弁があるので、血は上へ上へと送られます。

座りっぱなしや立ちっぱなしでふくらはぎが動かないと、このポンプが止まり、すねや足首の静脈の圧が高いままになって、水分が組織へしみ出します。むくみ対策で「歩く」「足首を動かす」「脚を上げる」が勧められるのは、このポンプを動かすか、重力の影響を減らすためです。サウナの中でじっと座っているだけでは、筋ポンプはほとんど働きません。

2-3. むくみのよくある原因と、サウナで期待できること

むくみの原因によって、サウナが役に立つかどうかは変わります。MSDマニュアル家庭版とNHSが挙げている主な原因をもとに整理しました(MSDマニュアル家庭版「むくみ」、NHS)。

原因サウナで期待できること根本的な対策
長時間同じ姿勢(デスクワーク・立ち仕事)動く・横になる時間になり、一時的に楽になりやすいこまめに歩く・足首を動かす
塩分のとりすぎ汗で一時的に水分は減るが、塩分をとれば戻る食事の塩分を減らす
月経前・妊娠軽く感じることはあるが、研究では確かめられていない(妊娠中は主治医に確認)時期による変化として様子を見る・医師に相談
体重が多い汗の量は多いが、むくみの原因は変わらない生活習慣の見直し
薬(血圧の薬の一部・ホルモン剤・痛み止めなど)期待できない自己判断でやめず、処方した医師に相談
心臓・腎臓・肝臓の病気、血栓、感染期待できない。サウナが負担になることもある受診する

MSDマニュアルのプロ向けの解説では、足のむくみを起こす薬として、カルシウム拮抗薬(血圧の薬)、エストロゲン、NSAID(痛み止め)などが挙げられています。薬を飲み始めてから脚がむくむようになった場合は、サウナで汗を出すより、処方した医師に相談するほうが確実です。

3. サウナとむくみ、研究でわかっていること・わかっていないこと

「サウナでむくみ解消」と書かれた記事は多いのですが、実際にむくみ(脚の太さや体積)を測った研究はほとんどありません。体重・血流・体液の動きなど、関連する研究から言えることを整理しました。

説明研究での位置づけ
サウナで汗をかき、体重が0.4〜0.5kgほど減る確かめられている(674人で測定。Podstawski ら, 2014)
サウナで皮膚の血流が増える確かめられている(小規模な実験。Smolander ら, 1985)
サウナの後に脚の太さ・体積が減る確かめられていない。直接測った研究は見当たらない
サウナで「老廃物」や「デトックス」でむくみが取れる確かめられていない。汗で出るのはほとんど水分
温冷交代浴でむくみが減る否定的な結果がある(手の体積は変わらず。Janssen ら, 2009)
汗をかいた後、体は水をためこむ方向に働く確かめられている(ただし長時間の脱水実験。Melin ら, 2001)
お酒の翌朝、体は水をためこみやすい確かめられている(健康な男性8人。Taivainen ら, 1995)
暑さで手足がむくむことがある知られている(軽い熱中症の症状の一つ。Savioli ら, 2022)

まとめると、サウナで一時的に体の水分が減ることは確かですが、むくみそのものを減らすと示した研究はまだありません。また、暑い環境で手足がむくむ「熱浮腫」は、救急医療の総説でも軽い熱中症の症状の一つに数えられています。サウナは短時間なので同じとは言えませんが、「温めれば温めるほどむくみが取れる」わけではない点は覚えておいてください。

4. 水風呂・温冷交代浴はむくみに効く?

「水風呂で血管を引き締めるとむくみが取れる」「温冷交代浴でポンプのように流れる」という説明をよく見かけます。この節では、それを確かめようとした研究を見ていきます。

4-1. サウナ+冷水では、汗が少ないのに血漿は多く減った

フィンランドで男性9人を対象に、サウナの後に氷水につかる、15℃のシャワーを浴びる、室温で休む、という条件を比べた研究があります(Kauppinen, 1989)。

条件減った体重(汗)血漿(血液の液体部分)の減り方
サウナ→氷水約417g7.2%減
サウナ→15℃シャワー約437g8.0%減
サウナ→室温で休む約544g5.6%減
氷水だけ—1.3%減(差ははっきりしない)

汗の量はサウナの後に休んだだけのときがいちばん多かったのに、血漿が多く減ったのは冷水やシャワーと組み合わせたときでした。著者はこれを、温めと冷やしの組み合わせで皮膚の血の巡りが乱れ、一時的に皮膚に水分がたまる(むくむ)ことを示唆していると考察しています。9人の小さな研究で、脚の太さを測ったわけでもありませんが、「水風呂でむくみが引き締まる」とは逆向きの可能性があることは知っておいてよいでしょう。

サウナと水風呂の後に、太ももや腕に赤と白のまだら模様が出ることがあります。これも皮膚の血管の広がり方が場所ごとにばらつくために起きると説明されていて、むくみとは別のものです。詳しくはサウナの「あまみ」とはで解説しています。

4-2. 温冷交代浴で、手の体積は減らなかった

むくみを減らす目的でリハビリの現場で使われてきた温冷交代浴(温水と冷水に交互につける方法)を、きちんと比較した試験もあります。手根管症候群の患者を、温冷交代浴+運動、温冷交代浴だけ、運動だけ、の3つの群に分け、手術前の58人と手術後の56人で手の体積を測りました(Janssen ら, 2009)。

結果は、どの群でも手の体積はわずかに増え(臨床的に意味のある差ではない)、3つの群のあいだにも差はありませんでした。研究者は「温冷交代浴は手の体積を増やしも減らしもしない」と結論しています。病気の手を対象にした研究なので健康な人の脚にそのまま当てはまるとは言えませんが、温冷交代浴がむくみを減らすという根拠は今のところ見当たりません。

4-3. むくみが気になる人の水風呂の使い方

水風呂がむくみに効くとは言えない一方で、温まった体を冷やしてすっきりさせる、休憩を気持ちよくするという役割は変わりません。むくみ取りを目的に長く入るのではなく、30秒〜1分程度、体の熱が取れたら出るくらいで十分です。

消費者庁の注意喚起(2024年6月)では、サウナの直後に急に水風呂へ入ると、血圧が200mmHg程度まで上がったという報告が紹介されています。かけ水で手足から慣らし、息を止めずにゆっくり入ってください。高血圧や心臓の病気で治療中の人は、主治医に確認してから入りましょう。

水温ごとの時間の目安や入り方のコツは水風呂の入り方と効果で詳しく解説しています。

5. サウナの翌日にむくむ3つの理由

「サウナの後はすっきりしたのに、翌朝むくんでいた」という悩みは、サウナ施設のコラムでもよく取り上げられています。体の中で起きていることを研究から追うと、次の3つが考えられます。

5-1. 汗で水分を失った後、体は水をためこもうとする

汗で体の水分が減ると、体は尿を減らして水を手放さないようにします。健康な若い8人を、暑さで体重の2.8%分の汗をかかせた実験では、脱水の後に尿の量が再び減り、尿を減らすホルモン(バソプレシン)も高いまま続きました(Melin ら, 2001)。

体重60kgの人で2.8%は約1.7kgなので、ふつうのサウナ(0.4〜0.5kg)よりかなり大きな脱水です。それでも、汗をかいた後は体が水をためる方向に切り替わるという向きは同じです。サウナで汗をかいたのに水を飲まずにいると、体は水分を手放さないモードになり、その後にとった水分や塩分がむくみとして出やすくなる、と考えられます。

5-2. サウナの後の食事で塩分をとりすぎる

汗をかいた後は、塩辛いものがおいしく感じられます。ラーメンや揚げ物、おつまみなど、いわゆる「サウナ飯」は塩分が多くなりがちです。塩分のとりすぎはむくみの代表的な原因として、MSDマニュアルとNHSの両方に挙げられています。体は血液の塩分濃度を一定に保とうとして水分をためこむため、塩分の多い食事のあとは翌朝むくみやすくなります。

5-3. お酒は、翌朝の「水のためこみ」を強める

お酒は飲んだ直後は尿を増やしますが、そのあと逆の反応が来ます。健康な男性8人が夜6〜9時に体重1kgあたり1.2gのアルコール(体重60kgで日本酒およそ3合強に相当する量)を飲んだ研究では、飲んだ直後の3時間は尿が増えたものの、真夜中から朝6時までは尿が減りました(Taivainen ら, 1995)。

時間帯お酒を飲んだ日ジュースを飲んだ日
飲んだ直後の3時間尿が増える—
真夜中〜朝6時尿が減る(体が水をためこむ)—
翌朝、水を飲んだあと体に残った割合44%12%

この研究はむくみそのものを測ったものではありませんが、お酒の翌朝は、飲んだ水が体に残りやすいことを示しています。サウナで汗をかいたあとにビールを飲み、塩辛いつまみを食べる、という組み合わせは、翌朝のむくみの条件がそろっていると言えます。さらに、飲酒しながらのサウナは低血圧や不整脈、突然死のリスクを高めると指摘されています(Hannuksela ら, 2001)。サウナの前と最中のお酒は避けてください。

5-4. 翌日むくまないための対策まとめ

翌日むくむ理由サウナの日にできること
汗のあとの水のためこみ入る前にコップ1杯、セットの合間と最後にも水やお茶をとる。汗をかきすぎるほど長く入らない
塩分の多い食事サウナ飯は汁を残す・塩辛いおつまみを控える
お酒サウナの前と最中は飲まない。飲むなら量を控え、水も一緒にとる
寝る前の姿勢夜は脚を少し高くして休む(NHSのセルフケアの案内)

6. むくみが気になる人の現実的なサウナの入り方

ここまでの研究を踏まえると、むくみが気になる人のサウナは「たくさん汗を出す」より、「脱水させず、座りっぱなしをやめる時間にする」と考えるのが現実的です。むくみのために特別な時間設定が必要だと示した研究はないので、基本の入り方に少し工夫を足す形でまとめました。

  1. 入る前に水をとる:コップ1杯の水やお茶を飲んでおきます。汗で失う水分を先に補うことで、後の「ためこみ」を起こしにくくします。
  2. サウナは体が温まったら出る:はじめは下段で5分前後、慣れても12分を超えない範囲で。汗をしぼり出すように長く粘る必要はありません。
  3. 水風呂は短く:かけ水をしてから30秒〜1分。冷やしすぎると休憩中に体がこわばります。
  4. 休憩で脚を上げる:リクライニングチェアや寝転べる場所で5〜10分。脚を心臓に近い高さに上げ、足首をゆっくり回したり曲げ伸ばしたりすると、ふくらはぎのポンプが働きます。
  5. 2〜3セットで終え、最後に水分をとる:セットを重ねるほどむくみが取れるという根拠はありません。物足りないくらいで切り上げます。

サウナ室の温度や経験によって、ちょうどよい時間は変わります。自分の経験・サウナ室と水風呂の温度・使える時間から1セットの配分を出す自分に合うサウナ時間診断を使うと、長く入りすぎを防げます。温度別の目安や初めての日の手順はサウナの入り方(何分・何セット)でまとめています。

外気浴ができる施設なら、休憩のコツは外気浴のやり方と効果も参考になります。

6-1. 顔のむくみ・朝のむくみが気になるとき

朝にサウナへ行くと「顔がすっきりした」と感じる人は多いようです。汗で体の水分が減ることに加え、起きて体を動かす時間が重なるためと考えられますが、顔のむくみに限ってサウナの効果を測った研究は見当たりません。なお、立ち仕事などによる脚のむくみは、MSDマニュアルでも「典型的には朝には消えている」と説明されていて、朝のむくみと夕方のむくみは分けて考えたほうがよさそうです。

ただし、朝のサウナは寝ている間に体の水分が減った状態から始まります。起きてすぐ入るなら、いつも以上に水分をとってから、短めに入ってください。朝サウナの注意点は朝サウナの効果と入り方で解説しています。まぶたや顔のむくみが毎朝続く、手や顔まで強くむくむ、という場合は、次の節で紹介する病気のサインのこともあります。

7. サウナでは解消しない・受診したいむくみのサイン

むくみの中には、病気が原因のものがあります。その場合、サウナで汗をかいても良くならないうえ、心臓や血管に負担をかけることもあります。MSDマニュアルと英国NHSが示している目安をまとめました。

こんなむくみ考えられることどうするか
息切れ・息苦しさ、胸の痛みや締めつけ、血の混じったせき肺塞栓症(脚の血のかたまりが肺に飛ぶ)、心不全などすぐに救急車を呼ぶ
片側の脚だけが急にむくむ。痛み・赤み・熱っぽさがある深部静脈血栓症、感染(蜂窩織炎)などすぐに受診する
突然むくんだ、強い痛みがある、熱がある血栓・感染・炎症などすぐに受診する
顔やおなかなど、脚以外もむくむ腎臓・肝臓・心臓の病気など早めに受診する
妊娠後期に手や顔が強くむくみ、血圧が高い妊娠高血圧腎症すぐにかかりつけの産科へ連絡する
両脚のむくみが、数日セルフケアをしても良くならない・悪化するさまざまな病気や薬の影響かかりつけ医に相談する

出典:MSDマニュアル家庭版「むくみ」(警戒すべき徴候:突然の発症、片脚だけのむくみ、顕著な痛み、息切れ、喀血)、NHS「Swollen ankles, feet and legs (oedema)」。MSDマニュアルでは、警戒すべき徴候がある場合や、心臓・肺・腎臓の病気がある人、妊娠中の人は直ちに受診するよう案内しています。

このほか、MSDマニュアル家庭版では、体に水分がたまるときは「最初は体重が増加し、起床時に眼が腫れるようになり、一日の終わりには靴がきつくなります」と説明されています。急な体重の増加、朝のまぶたのはれ、運動時や夜に横になっているときの息切れが重なる場合は、心臓や腎臓の病気が隠れていることもあります。「サウナで汗を出せば戻る」と考えず、先に医療機関で原因を確かめてください。

7-1. がんの手術後のリンパ浮腫とサウナ

乳がんなどの手術でリンパ節を取った人は、腕や脚にリンパ浮腫が起きやすくなります。乳がんの治療を受けた女性295人を1年追った米国ペンシルベニア大学の研究では、30の生活習慣のうち、腕のむくみの新たな発生とはっきり関連したのはサウナの利用だけでした(Showalter ら, 2013)。

むくみが出たのは27人(9%)で、サウナを使っていた人自体が少ないため、確かな結論とまでは言えません。それでも研究者は、脇のリンパ節の手術を受けた人はサウナを避けるよう勧めています。リンパ浮腫がある人、またはそのリスクがある人は、サウナに入る前に主治医に確認してください。

7-2. サウナ自体を避けたい人

むくみの有無にかかわらず、次の場合はサウナを避けるか、主治医に確認してからにしてください(消費者庁の注意喚起(2024年6月))。むくみの原因になりやすい心臓や腎臓の病気がある人ほど、該当しやすい点に注意が必要です。

区分該当する場合
利用を避ける体調不良・発熱があるとき、重い心臓や肺の病気がある人、食事の直後、運動の直後、飲酒後(二日酔いを含む)
主治医に確認してから脳卒中の後の人、心臓の病気や高血圧で治療中の人、妊娠中の人

サウナのリスク全体はサウナの危険とデメリットで、女性の体調の変化に合わせた入り方は女性のサウナの入り方で解説しています。

8. むくみにくい入り方を記録して見つける

サウナの翌日にむくむかどうかは、入った時間や汗のかき方、その日の食事やお酒で変わります。同じ人でも日によって違うので、「何分入った日にむくんだか」を覚えておくと、自分に合う入り方が見つけやすくなります。

ととのい時計は、iPhone・Apple Watch・Android で使えるサウナ記録アプリです。高温浴・水風呂・休憩の3つのタイマーがあり、Apple Watch で測った心拍から、温まり・冷え・回復・時間バランスの4つの要素で0〜100の「ととのいスコア」を出します。セットごとの心拍グラフ、履歴、施設名の記録、バッジの機能もあります。サウナの時間を履歴に残しておけば、翌朝のむくみと見比べて、長く入りすぎた日がないかを振り返れます。

9. よくある質問

サウナでむくみが取れるのは本当?

サウナの後に脚や顔がすっきりして見えるのは本当によくあることですが、その主な理由は汗で体の水分が減ることです。若い学生674人を測った研究では、10分×2回のサウナで体重が女性で約0.37kg、男性で約0.50kg減り、そのほとんどが水分でした。むくみの原因そのものが治るわけではなく、水分をとれば体重は元に戻ります。

サウナのむくみ取り効果に即効性はある?

「その日のうちに軽くなる」という意味では即効性があります。汗で水分が出ること、温まって血流が増えること、休憩中に脚を上げたり歩いたりすることが重なるためです。ただし、サウナに入った後に脚の太さがどれだけ細くなったかを直接測った研究は見当たらず、効果がどのくらい続くかもわかっていません。

サウナの翌日にむくむのはなぜ?

主な理由は3つ考えられます。汗で水分が減った後に体が水をためこもうとする反応、サウナの後の食事で塩分をとりすぎること、そしてお酒です。お酒を飲んだ翌朝は、飲んだ水の44%が体に残ったという研究もあります(飲まなかった日は12%)。サウナの前後は水分をこまめにとり、塩分とお酒を控えると防ぎやすくなります。

水風呂はむくみに効く?

水風呂や温冷交代浴がむくみを減らすと確かめた研究は見当たりません。手術前後の手根管症候群の患者に温冷交代浴を行った比較試験では、手の体積は減らず、運動だけの群とも差がありませんでした。水風呂は体をすっきりさせる目的で短く使い、むくみ取りを期待して長く入るのは避けてください。

むくみを取るにはサウナに何分入ればいい?

むくみを取るための最適な時間を示した研究はありません。長く入るほど汗は増えますが、それはむくみが取れたのではなく水分が減っただけです。一般的な入り方と同じく、サウナは体が温まったと感じるまで(目安は5〜12分)、2〜3セットで十分です。水分をとりながら、無理をしないことを優先してください。

顔のむくみにもサウナは効く?

サウナで汗をかき、起きて体を動かすことで顔がすっきりして見えることはありますが、顔のむくみに限ってサウナの効果を測った研究は見当たりません。起きたときにまぶたがはれる、体重が急に増えた、顔やおなかまでむくむ、という場合は、心臓や腎臓などの病気が隠れていることもあるので受診してください。

片足だけむくんでいるけど、サウナで温めてもいい?

おすすめしません。片側の脚だけが急にむくみ、痛み・赤み・熱っぽさがある場合は、深部静脈血栓症(脚の静脈に血のかたまりができる病気)のサインのことがあります。MSDマニュアルや英国NHSは、こうした場合は早めに医療機関に相談するよう案内しています。息切れや胸の痛みがあれば、すぐに救急車を呼んでください。

乳がんの手術後でもサウナに入っていい?

脇のリンパ節の手術を受けた人は、主治医に確認してください。乳がんの治療を受けた295人を1年追った研究では、30の生活習慣のうち、腕のむくみ(リンパ浮腫)の発生とはっきり関連したのはサウナの利用だけでした。サウナを使っていた人は少なく、仕組みもわかっていませんが、研究者は脇の手術を受けた人はサウナを避けることを勧めています。

10. まとめ

サウナでむくみが取れたように見えるのは本当ですが、その中身の多くは汗で減った水分です。最後にポイントを振り返ります。

  • サウナ(10分×2回)で減る体重は女性約0.37kg・男性約0.50kgで、ほぼ水分。水を飲めば戻る
  • 温まって皮膚の血流は増えるが、脚の太さが減ると直接示した研究は見当たらない
  • 温冷交代浴で手の体積は減らなかった。水風呂は短く、むくみ取り目的で長く入らない
  • 翌日むくむ主な理由は、汗のあとの水のためこみ・塩分・お酒。お酒の翌朝は飲んだ水の44%が体に残った
  • 入る前と後に水をとり、休憩で脚を上げて足首を動かすのが現実的なむくみ対策
  • 片足だけのむくみ、痛み・赤み、息切れ、急な体重増加は、サウナより受診が先

次のサウナでは、汗をしぼり出すより、水分をとりながら短めに入り、休憩で脚を休めることを意識してみてください。むくまなかった日の入り方を記録しておくと、自分にちょうどいい時間がわかってきます。